安否情報

以前からテレビの安否情報は本当に効果があるのかと疑問に思っていたのだが、「NHKはいったい何がしたかったのか」を読んで、効果どころか被害の方が大きいんじゃないかと思った。

安否情報が役に立つには、被災された方が自分の名前が呼ばれるほんの数秒程度の時間にその番組を見ている必要があるのだが、安否が心配されるような状況に置かれて間もない方が、自分の安否情報が流れるとも限らないテレビを延々と見続けるのだろうか。それよりももっと 171 の被害伝言ダイヤルについての情報を繰り返し放送したほうがよっぽど効果があるんじゃないかと思ってしまう。

また、このような状況で、オレオレ詐欺の電話がかかってこようものなら、肉親は冷静な対応がとれるのだろうか。僕はその自信がない。今回の安否情報、とくに NHK の個人情報丸出しの安否情報がオレオレ詐欺に有利に働いたと言われても仕方ないと思う。

id:HiromitsuTakagi さんの言う、

人は、自分の行いが他人のため、善意でやっているのだとの認識を持った時点で、それが危険をももたらす可能性がある場合においても、そこに考えが及びにくくなるものなのかもしれない。さらには、その行いが実はたいして役に立たないのだという可能性にも、あえて気付こうとしないのかもしれない。

という事は僕自身、つねに意識しておかなければならないことだと思った。