ハエを食べて燃料にするロボット

小ネタBlog〜純情派「ハエを食べて燃料にするロボット」なるものが紹介されていた。

その基本となるアイデアは、ハエを捕まえて特殊な燃料電池で消化することで電気を生み出すというものだ。この燃料電池はハエの骨に含まれる糖分を分解して電子を放出し、この電子が電流を生む。

「EcoBot IIと呼ばれるこのロボットは、『リリース&フォゲット』(送り出した後は放っておいていい)ロボットを作ろうという動きの一環だ。こうしたロボットは危険な場所や人が近寄りにくい場所に送り込んで、産業あるいは軍事目的で温度や有毒ガスの濃度などを遠隔監視するのに使える」と9月8日発行のNew Scientist誌には記されている。

「ハエのいいところは、自分の方に呼び寄せられること」がハエに注目した点らしい。開発者の方々(英国)はよほどハエに囲まれた生活をしてきたんだろう。英国ってそんなにハエが多いのだろうか。

ハエ一匹の持つエネルギーってどれ程あるのか分からないが、脂肪は 1g で 8kcal ほどのエネルギーと言われている。ちょっと検索してみたところハエは一匹 1mg ほどらしい(参考)。英国のハエが巨大だとしても 2,3mg だろう。ハエが脂肪のみで構成されていて、 50 匹から 100 匹を 100% の効率でエネルギーに出来ても 0.8kcal ほどのエネルギーにしかならない。そこまで大量のハエを処分しておいてわずか 0.8kcal だ*1

0.8kcal で何が出来るか。0.8kcal を単純に変換すると 3348.8J になる(参考)。1J は大体 100g 程度のモノを 1m 動かす(引っ張り上げる)ことが出来る。3348.8J だと約 340kg ほどのモノを 1m 引っ張り上げることが可能なエネルギーだ。逆に言えば、34kg のモノを 10m。今回のロボットがどれほどの重量か分からないが、小型軽量で、水平方向であれば結構動ける気がする。ただし動く前か途中に大量のハエが存在していなければならない上に*2、この計算は効率 100% なので実際は 20% もないだろうから、やはり困難であることに変わりないと思う。

ムリだろと思って記事を読んだが、かなりおおざっぱで不正確な計算ながらも環境次第ではあり得る話かもしれない。時間の都合で簡単な計算ですましてしまったが、ここはもう少し状況を考えてより可能性を検討してみると面白いかもしれない◎ まあ実用化されても使いたいとは思わないが。

英国、ハエというと連想されるのはロンドンの馬糞か。これは馬糞掃除機かもしれない◎

*1:実際は他の有機物と大量の水分が占めるのでもっと低い値だろう

*2:「危険な場所や人が近寄りにくい場所」にそんなにハエがいるのだろうか